quotation and concerning the books.by Tetsuya Machida

2006年3月10日金曜日

受け取るあるいは渡す

3月21日パントマイム公演「アクシデント」記録撮影(DV,DC,Film)の仕事で、パントマイムパフォーマンスシアター「水と油」パントマイマー小野寺氏、藤田氏両名と、野沢温泉村立市川小学校4学年児童7名との演目のリハーサルをみつめる。


パントマイム(Pantomime)とは、台詞ではなく身体や表情で表現する演劇の形態。
大道芸(ストリートパフォーマンス)としても多く見られる表現方法で、実際には無い壁や扉、階段、エスカレータ、ロープ、風船などがあたかもその場に存在するかのように身振り手振りのパフォーマンスで表現すること。
単にマイムともいう。パントマイムをする人をパントマイミスト(Pantomimist)・マイマー(Mimer)・パントマイマー(Pantomimer)という。(パントマイマーは日本独特の呼称。)ー Wikipediaより

  音楽を導入として身体を自由に自己表現訓練するリトミックと、日々の自発的な取り組みから、この小学生たちは、パントマイマーと出会い、パントマイムとい うメソッドを学芸会のレヴェルを大きく踏み越えて取り組み始めた。プロのパフォーマーの所作の不思議を、繰り返しみつめ辿るという単純な反復作業自体に、 身体的な驚きと悦びが満ちていく証の輝きを瞳に宿らせる子どもたちは、3時間のリハーサルの時間に沿って、加速するような身体の動きを身につけていく。
  注目すべきは、演出と構成と舞台構築を同時に行う小野寺氏、藤田氏の、このコラボレーションへの態度が、都度の端的な指示に真っすぐに表明されており、個 別固有の子どもたちの本来的な資質を見極めながら、舞台演目であるのだという自覚を彼らに促しつつ、おそらく通常の訓練(プロとしての訓練・稽古)と同じ レヴェルの思考を此処で展開し、「演じる者」を明晰に、子供たちへは勿論、我々スタッフにも向かって開いていくことにある。
 兎角、半端な児童と所謂プロフェッショナルな大人とは、家族であっても真っ直ぐに向き合うことは少ない。一過的なものではなく、成熟を迎えることのできる、長い道のりの導入として、公演が可能性を新たに秘めることを期待したい。

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